第三章
余した砂塵が風に吹かれて失せる。
「……!」
見間違いなどではなかった。
「よぉX部隊」
内一人の男が片膝をついていたところ、ゆっくりと立ち上がって。
「それに正義部隊」
冷たく見下して笑み。
「初めまして。ダークシャドウです」
片時も目が離せない息の詰まる状況下、幸いにもひと気といったものは見られずそちらに気を配ることはなさそうで。
……それよりも彼らだ。
どうして。
ダークシャドウがここに――!
「……何用だ」
ロックマンは冷たく見据えた。
「何の目的があって我がレイアーゼ国に足を踏み入れた」
「言わなきゃどうなんの?」
からかい半分にダークフォックスが首を傾けるとマークとルフレはそれぞれ赤と黄色の魔道書を構えて。
「わお、古典的」
「先程の魔法はあなた方でしたか」
「次はもっと痛いわよ」
「骨まで焼かれてみるかい?」
そう言い放つ二人は先程までの雰囲気と全く異なっていた。
「……俺たちはマスター様とクレイジー様の命によりここに参じた」
ダークウルフが告げる。
「聞こう」
「お前たちには関係ない」
「いい。話してやれ」
スピカが言うと小さく息をついた。