第三章
獣の眼孔が鋭く見据える。
次の瞬間男は目前にまで舞い上がったその少女の前転から繰り出した踵落としを受け止めていて。
「……!」
少女がほくそ笑むと同時その背後から光線弾の群れが襲いかかった。即座に腕を解いて身を引いたがここぞとばかりに距離を詰め寄られ蹴りが拳が容赦なく。
その攻撃を潜るように隙を埋めるように光線弾が少女の背後から撃ち出されるのだからたまらない。
「まさか苦戦ッスかぁ?」
「やれやれですね」
傍観する男たちが口々に。
「ほらそこ」
瞬時に場所を読み取って内の一人がアサルトライフルの銃口を向けた。二度、未だ舞い上がる砂塵の中へ撃ち鳴らすと光線弾による弾幕が失せて。即座に男が回し蹴りで切り返すと少女は体を反らして躱し、虚空を蹴って大きく後退。
「まだ来ますよ」
発言した直後。砂塵を大きく突き破り、雷の柱が男たちに襲いかかった。
「げえっ、すご」
にやにやと笑いながら呟いて男は腰に備え付けられた装置に触れて赤い六角形の反射板を展開させる。
「なぁんかヤバくね?」
「ヤバいですねぇ」
敬語調の男は振り返る。
「どうします? リーダー」