第三章
厳格な……処置……
ルーティは静かに息を呑んだ。……第一級任務はそれこそ目的を達成する為ならどんな手段を使っても構わないといったものだ。何をしたところで罪に問われることもない。
……それが例え、殺しだったとしても。
「五分後、我々は此処を出発してデモ団体との接触と説得を試みる」
グラヴァスは続けた。
「奴らは今この時も移動している可能性が高い。まずは分かれて探索し発見次第各部隊を受け持つ責任者に連絡を回せ」
せっ責任者……ルーティがちらっとフォックスを見ると目が合った途端、笑顔を返された。はい。ですよね。
「ここまでで何か質問はあるか?」
ロックマンが静かに手を挙げた。
「……デモ団体と初めに接触した部隊の対応はその場待機と説得、ということでよろしいでしょうか」
「そうだ」
「ではもし仮に説得が通じず、反抗的な態度、即ち攻撃を受けた場合の対応は」
グラヴァスは腕を組んだ。
「私が判断を下す。それまで説得以外の勝手な行動は許されない」
「そもそも相手は一般市民じゃろう。どんな武器を担いだところで訓練を成した儂等にかなうものか」
シラヌイの言うことも一理あるのだが。
グラヴァス指揮隊長が到着するまでその場待機、か。何もなければいいけど……