第三章
「――はっはっは!」
男は豪快な笑い声を上げた。
「それはすまなかった。どっちかだとは思っていたんだ」
「我々も結成して日が浅いですから」
ロックマンはにこやかに返す。
「あ、どうも……」
ルーティ達は何故かソファーに通されたのでおとなしく座っているとロックマンと男が会話している間に洒落たカップに淹れられた紅茶が出てきた。
よろしければ、なんて平らな皿に盛ったクッキーまで出てきて……物件を探しに来たものだと勘違いされているのか。
「――諸君!」
ルーティは慌てて手を引っ込めた。
「そのままで聞いてほしい!」
男は声を張り上げる。
「まず私が今回の任務で指揮を取るグラヴァス・ハルトマンだ」
……、煙草の匂い。
「任務の内容については不要と見て控えさせていただく」
わああっ! またこの人は!
「我々の目的はあくまで鎮静化。第一級任務に切り替わる可能性も視野に入れているが出来る限り一般市民を巻き込まず事件の解決を望みたい」
鋭い視線を受けたが小鼠の威嚇など狼は素知らぬふりで。
「まずは話し合うということか」
「賢明だけど通じるかしら」
マークとルフレが口々に。
「相手も人間だ、心はあるだろう」
グラヴァスは瞼を閉じていたが。
「……ただし話し合いに応じず反抗的な態度を示した場合は」
開いたと同時視線を上げると冷たく。
「即刻第一級任務に移行し厳格な処置を取らせてもらう」