第三章
今回の任務について。依頼届を提出したマークとルフレ、それに彼らが属する第四正義部隊フォーエス部隊のリーダー、ロックマンが出撃するであろうことは頭の端で何となく予想していた。
「珍しいか?」
視線を受けてその人は笑った。
「……儂等のような獣人は」
獣人とは読んで字の如く人と獣を足した生き物である。基本的にはフォックスやウルフのように獣の耳や尻尾が生えているといったくらいで多くはその姿というのも人間に寄っているのだが。
彼ら。シラヌイとモウカ。
双方共に体型は年端もいかない子供かのようだがその作りは獣に寄っている。
大雑把に説明するならばシラヌイは犬、モウカは鳥といったところか。
「う、ううん」
ルーティは小さく首を横に振って。
「久しぶりに見たから」
「儂等のような形の獣人をか」
「僕の故郷でね。君たちみたいな獣人とはちょっと違うんだけど」
「するとお前さんメヌエル出身か」
モウカの発言に目を丸くする。
「分かるの?」
「本職は各地を飛び回っていたからな」
「……、本職って?」
するとシラヌイとモウカは小指を下に向けて拳を握り、親指と人差し指を開いて鉄砲の形を作るとその手の人差し指を、互いのこめかみにあてがって。
「わ、分かりました」
見た目の割にとんでもない。