第三章
うーん、とルーティは唸って。
「じゃあ僕たちと一緒に受けてみる?」
マークとルフレは目を丸くした。
「……えっ」
「だってここに書かれてるのは希望小隊人数だけでその小隊がひとつの部隊から選び抜いたものでなければいけないとは書かれていないし」
「でも、私たち」
ルフレは不安に表情を沈める。
「足手まといにならないかしら」
「そんなことないよ!」
咄嗟に否定して、
「君たちの実力は僕たちが保証する」
真剣な表情で向き合う。
「……だから今度のことで自信をつけてほしいんだ」
顔を見合わせる二人を思わず見張った。
初任務という不安。それに加えて第一級任務に切り替わる可能性とプレッシャー。どれも初心者にとって毒ばかりだが、だからこそ乗り越えなければ。
戦士なら。
誰もが通る道だから――
「……分かった」
意を決したようにマークが返した。
「作戦開始は一時だったね」
「うっうん!」
「三十分前にまたここで落ち合おう」
「互いに五人でよかったかしら」
ルーティはこくこくと頷いて。
「分かった。じゃあ提出してくるわね」
「うんっ!」
こうして僕たちは同じ任務を共にこなすこととなった。
こういうの。本当は仕事なんだしはしゃいじゃいけないって分かってるけど。
「……楽しみ」
ルーティは小さく呟いて密かに笑った。