第三章



任務や依頼を記した用紙は正面の受付を右に曲がって直ぐのところにある掲示板に張り出されている。その中でも特に簡単なものならその側の台の上にご自由にお取りくださいとばかりに積んであるのだ。

まずは子供組の為に簡単な依頼用紙を数枚とそれから――歩み寄ろうとしたその時、見覚えのある後ろ姿にはたと止まった。

黒いローブに白髪の際立つ……

「マークさんと……ルフレさん?」

呼ぶや否や振り返った。

「……あっ!」

間違ってなかったみたい。あちらも揃って目を丸くした。

「ルーティ隊長!」

うわあああ初めて呼ばれたよそんな呼び方!

「る、ルーティでいいよ」

苦笑気味に返して歩み寄る。

「じゃあそう呼ばせてもらうよ」

マークはくすっと笑って。

「依頼用紙を取りに来たの?」
「ええ。……うちの隊長朝に弱いのよ」

わあ親近感。

「歓迎式典の時も寝坊しちゃって」
「セットが間に合わなくてね」
「寝癖だったの?」

ルーティは思わず声に出して言った。

「あれだけ難しい言葉を顔色ひとつ変えず並べるのに不思議だろう?」
「ロック隊長ったら……ルーティを見習ってほしいわ」
「み、見習う対象はもっと別の方がいいんじゃないかな」

視線が痛い。
 
 
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