第三章
――天空大都市レイアーゼ。
早朝といえど、この街に人数が多いことに変わりはない。行き交いすれ違う人々のことなどは気にも留めずルーティ達は中央に聳え立つ目的地中央司令塔へその足を運ぶ。
「……?」
それにしたって今日は人が多いな。
ルーティは途中気になって人集りに目を向けたがすぐ先の信号が点滅を始めるのを見て駆け出した。
……何かイベントでもあるのかな?
都市の中心に聳え立つ白い巨塔。
――レイアーゼ中央司令塔。
屋敷から歩いて約二十分といったところだろうか。自動式のドアを潜ると心地好いエアコンの風が歓迎してくれた。流石の司令塔とだけあって忙しく人が歩き回っている。
説明は不要だろうか。念のため繰り返しておく。
都市の中心部に聳え立つこのレイアーゼ中央司令塔では、重要な情報を管理したりその名の通り軍隊に指令を与えるなど様々な活動が行われている。
いくら歴戦の戦士の集う特殊防衛部隊X部隊といえどこの場所に関しては二階から上の階層への自由な出入りを認められておらず、警備も厳しい。百の知識を持って千の歴史を管理するとまで語られる未来都市の中枢だ、それだけに重要機密が外に漏れ出さないよう厳重に警戒を施されているのである。