第三章
玄関の扉を開くとまだ薄暗い景色が出迎えた。
中庭にはメタナイトに続けて気迫のこもった声を上げながら剣を振るう剣士組の姿が窺える。
「おはよー」
此方に視線を寄越さず挨拶を飛ばしてきたのは壁に背中を預けて稽古の様子を見守るカービィだった。
「……早起きだね」
「誰かさんとは違うからねぇ」
おぅふ。
「いってらっしゃーい」
それ以上特に話を展開させる様子もなくひらひらと手を振って送り出すカービィを背にして。メタナイト含む剣士組もちょうど素振りを終えたが次いで実技演習に移るらしく。
む。初めはロイとマルスが戦うのかちょっと気になるな……思わず視線を奪われ足を止めたが直後に背中にゲムヲが衝突。おっと。
「気になるデス?」
ロボットがかくんと首を傾げたが。
「うぅん。行こっか」
街まではそう遠くはない。
正門を出てすぐの林を抜けた先。道なりに歩いていけばぽつりぽつりと民家が道の脇に並ぶようになり人が通るようになり賑やかになる。
そうして自然な形でいつの間にか。