第二章-後編-
何のつもりだろう。
まるで意図が掴めない。後輩として先輩部隊のより詳細的なデータが気になる気持ちは何となく分かる。でもそれだって真っ正面から堂々と申し出ればいいものをどうして、今回のように隠れるようにしてこっそり収集するのだろうか。
「好きにやらせておけ」
これまで聞き耳を立てていたらしいメタナイトが四人より少し前を歩きながら口を開いた。
「子供ながらの探究心というやつだ」
「あれが子供に見える?」
「可愛いじゃないか」
「子供なら――」
言い切らない内に。マルスが人差し指を唇に当てて遮った。
「……余計な詮索はやめておいた方がいい。少なくとも、今は」
カービィは不服そうに口を噤む。
「関係が拗れるだけだ」
「はいはい。お仲間同士いい関係を築きましょうねー」
「何の話をしてるんだ?」
「うるさい」
今更ロイが話の介入を図ろうとしたところでふて腐れたカービィが快く歓迎するはずもなく。
「何だよ、ケチ」
浮かべた笑みが夕暮れに陰る。
列をなして森を抜けたその先へ足を運ぶ。正義の集団の慕う心は正しくそれか、それとも――
様々な思いが交差する、その裏で。
もっと強大な力が動き出そうとしていることを。
……彼らは、まだ。