第二章-後編-



わいわい騒ぎながら屋敷へ向かう。

「……なんで庇ったの?」

カービィは歩きながら訊ねた。

「今回のシステム障害が故意に発生させられたのは事実。それに乗じてルーティを殺そうとしたんだよ?」
「しっ」

言い掛けられてひと睨み。

「……後輩だから信じたいとか?」

視線の先のその人が黙りこくるのを目に溜め息。

「それだけの理由で。情が移ったとか言わないよね。……マルス」


騒ぐ声が遠く聞こえる。

その最中で脳裏には人目に触れないように計らいながら機械を操作する双子の姿があった。


「……、」

それが焼き付いてしまわぬよう固く瞼を瞑って。ゆっくりと、開く。

「思うところがあるのはお互い様だろう。それを行動に移したかそうでないかというだけで」
「先を越されたってこと」

カービィは小さく息をついて。

「策はあるんだろうね」
「執念深いな、君は」
「当然。やられっぱなしじゃたまんない」

マルスはやれやれと肩を竦めた。

「――今回のことなら気にするまでもないんじゃないですか」

いつの間にか隣に並んで口を挟んできたのはリンクである。

「気付いてたの?」
「もちろん」

悪魔め、とカービィはぼやいて。

「夕飯抜きにしますよ」
「うげっ」
「データを取られたというだけの話だろう」

リンクとは反対側、挟むようにして並んだアイクが腕を組み加わる。

「そっ。それも僕たちの戦闘能力を分析したパーソナルデータ……」
 
 
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