第二章-後編-
軋み、鉄製の門が開く。
「それでは」
ロックマンを先頭にぞろぞろと。
「ちょっと待った」
呼び止めたのはカービィである。
「あー用があるのはそこの双子さんだけ」
「……私たちのこと?」
ルフレはマークと並んで振り返り、訝しげに見つめる。
「そうそう」
カービィはにこりと笑って。
「ま、僕たちこれから長い付き合いになるわけじゃん? そうなるに当たって隠し事とか蟠りとか無い方がいいかなって思ったんだけど」
しんと静まり返る。
「……まさか」
カービィは冷たく視線を上げて。
「とぼけるつもりじゃないよね」
誰のとも知れぬ心臓の音が繰り返し響いていた。遠く、カラスが鳴いている。息を呑む音が聞こえて。
……ゆっくりと。
結んでいた口を解いた。
「それは、さっきも話しただろ」
カービィは振り返る。
「彼らは揃って聖王の軍師だって」
――マルスだった。
「君は本当に疑り深いなぁ」
カービィは目を細めていたが。
「……直ぐには信用できないって。行き倒れてた記憶喪失の双子を軍師として迎え入れるなんて」
やれやれと溜め息。
「お人好しにも程があるよ」
「クロムはそういう奴だから」
「いくら言ったって無駄なのよね」
苦笑い。
「聖王じゃなくてお人好しなら幾らでも抱えてるけどね」
「誰のことだい」
「さあ。それも含めてまた今度」
ルフレとマークは笑って列に加わり歩いていく。……やがてそれが小さくはっきりと窺えないものとなると鉄製の門は閉められた。
「さて。戻って夕食にしましょう」
「兄ちゃん、今日のご飯は?」
「何を言ってるんですか。これから準備するんですよ」
「えぇーっ!」