第二章-後編-
「疲れるといえば……あのパネルの先は電子世界のはずだろう。何故かいやに疲労が溜まってしまってな」
「あ、気付いてなかったんだ」
「……?」
ロックマンは小首を傾げて。
「いいよ、もう。負けは負けだけどうちの隊長は怪我せずに済んだし」
小さく溜め息をついてパックマンが立ち上がった。
「何の話だ?」
「だからいいって」
周りに乗じてくすくすと笑いながらルーティは改めて向き合う。
「……どうだった?」
本来親睦を深めるといった意味で開催されたこのトーナメントもいつの間にやら戦いとは何であるかを言い争うかのようなものとなっていた。
命を懸けて殺し合うただそれだけのものなのか。はたまた自身の意志を想いをぶつけ合うものなのか。
「……そうだな」
ロックマンは目を伏せて。
「ルーティ。君は残念に思うだろうがやはり戦いというものに関して、自分の意見は曲げられない」
でも、と続けて。
「楽しかった。結果として敗北したのは悔しいが何より悔しいのはそう感想を述べざるを得ない戦いを二人に魅せられたことかな」
ロックマンは手を差し出す。
「ありがとう。……素晴らしい時間だった」
ルーティは微笑を浮かべると握手に応じた。ロックマンは続けてウルフにも差し出したがまあ素直と無縁の彼が応えるはずもなく。
「ご、ごめんね。無愛想で」
「気にしないでくれ。幸い似たような人種なら此方でも扱っている……ツンデレってやつだろう」
ロックマンはそう言って笑ったが。
……似たような人種とは一体。