第二章-後編-
雷鳴が轟く。全身を電気が駆け抜け青の子の持つ全ての機能を容赦なく奪い去り叩き落とす。息つく間もなく奈落の底へその人の体が消えた後は青い光の玉が花火のように弾けて。
風が止んだ。音が止んだ。
遠く歓声がファンファーレが響いてくる。ゆっくりと瞼を閉ざして。
“GAME SET”と。
終幕を告げる声が響き渡った。
「おにぃ!」
お約束の。けれど今度ばかりはへとへとでさすがのルーティも分かっていながら回避までは敵わなかった。
「すごいすごいっ!」
ピチカはめいいっぱい頬擦りをした後にきらきらとした瞳で見上げて。
「見てたよ! まさか土壇場であのメテオ返しを決めちゃうなんて!」
「あはは……たまたまだよ」
「たまたまなんてよしてくれ、ルーティ」
振り返るとそこには元の姿に戻ったロックマンが居た。
「偶然なんかじゃない。あれは君自身の実力によるものだった」
ふっと笑って、
「是非そう思わせてくれ。たまたま負けたなんて思いたくないからな」
「はは、そうするよ」
「……ところで」
ロックマンはぐるりと部屋の全体を見回して。
「この状況は何だ?」
彼が突っ込むのも無理もない。実は試合から戻ってきた三人とルーティの胸に飛び込んできたピチカ以外、熱い声援の甲斐(?)あって息も切らすほどにへとへとだったのである。
「凄かったんだよ、こっちも」
ピチカの耳打ちに苦笑い。
「何もお前たちまで疲れることないじゃないか」
「た、……隊長には分からないよ」
床に両手両膝を付きながら見上げるパックマンにロックマンは疑問符。