第二章-後編-



程なく反発して双方共に仰け反ったが早くルーティが動いた。地面を蹴って跳び上がり空中で回転をかけるのを視界に捉えてロックマンはすかさず砲口を構える。砲口の奥、青い光が凝縮されていく最中。

「ウルフ!」

叫ぶ声に意図は掴めたが既に遅く、前方から接近したウルフに懐に潜り込まれ蹴り出される。ダメージの溜まった体では成す術もなく呆気なくロックマンの体は場外へ弾き出されたがまだ終わっていない。その視界の端には先程と同じ放電を利用してジェット機の如く此方へ降下する、ルーティの姿を捉えていて。

接近、目前で踵落としの体勢に移るのを見計らって攻撃の直前、ロックマンは自身の後方に幾つか弾を打ち出して反動を利用しつつ体を捻らせながら回避。とどめの一撃が既の所で躱され驚いたルーティがすかさずステージに復帰するべく脚に電気を走らせたが頭上に影。

そこには砲口を向けるロックマンの姿があった。その構えは確か、第十回戦で対峙したアイクを奈落の底に叩き落としたメテオ技の――

「ルーティ!」

程なくロケットパンチのように撃ち出された腕が容赦なくルーティに降り注ぐ。距離、零。


気付いたところで。


「……!」

虚空を蹴り出し、弧を描きながら――弾を、躱しただと!?

頬に触れる冷たい粒にロックマンはぎくりとした。暗い雨雲の発生地点は自分自身を中心に。その真下呼び寄せた張本人がにやりと笑って。

「……チェックメイト」
 
 
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