第二章-後編-



砲撃を縫って蹴り出し跳び上がり、頭上から回転をかけての踵落とし。腕を交差させて受け止めたが、当然一撃は重い。その隙に正面に回ったウルフが一気に距離を詰めて後転と同時腕を蹴り上げ防御を崩す。

「ルーティ!」

腕が解かれたのを見てルーティは後転しながら宙を舞うと自身の真後ろに腕を伸ばして放電、ジェット機の如く空中からロックマンに突撃。

――砂塵が舞う。真っ先に背中から砂塵を抜けたのはロックマンで直後追うように拳を突き出しながらルーティが飛び出した。一発二発淡々とその連撃を防いでいるようであってロックマンも息が上がっている。

限界が近いことくらい百も承知だ。


例えこの戦いの結果が分かっていたとしても。それが違えぬ未来で――運命だったとしても。


俺は。


「ッッ!」

突き出した拳を同じく拳で弾かれ、体勢が崩される。その隙を見逃さずロックマンは腕を大きく引いた。


……負けられないよね。

分かるよ、だって。


「……!」


僕も同じだから。


突き出された拳を先程と同じく拳で受け止めて。ばちばちと青い閃光が弾け飛びルーティとロックマンを中心に強い風が吹き荒れる。


ねえ、ロックマン。

聞こえてる?


皆の声が。

負けないでって。頑張って、って。


「くっ」

君が言った。冷たくて寂しいだけが全てじゃないから。

いつだってたくさんのことを教えてくれる。


それを、今。

……伝えにいくから!
 
 
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