第二章-後編-



「……え」

映し出された映像に。

誰かがぽつりと、小さくこぼした。


バトルルーム。水を打ったようにその場所がしんと静まり返ったのはモニターにある映像が映し出されたからである。

激しい接戦の末遂に構えられた銃を弾きがら空きとなった懐にとどめの拳を打ち込むかと思いきや、見計らったかのように牙を向けたのはその背後、様子を窺い今にも飛び出さんとしていたルーティ。


その人の無防備な懐に。

放出した弾を吸着させて程なく。


……声もなかった。

眩い光がたちまちルーティを包み込んで大爆発。今はもくもくと薄茶色の砂塵がステージの全体を覆っている。その内。風に吹かれて砂塵が払われたそこに立ち竦んでいたのはロックマンだった。

「……ルーティは」

依然としてモニターの画面から目を離せないままロイが呆然と呟く。

「あれって」

映像の中に何かを見つけてルフレが声を漏らした。直ぐ様、マークが機械を操作してルフレの示した箇所をズーム。

画面に映し出すと。

「……!」


――それは紛れもない。

ルーティの服の切れ端だった。


「嘘、だろ」

室内がざわつく。

「まさか」

パックマンでさえ口元を手で覆って画面から目を離せずにいた。

「……ルーティ」
 
 
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