第二章-後編-
「……っ、う」
想像していた以上にダメージが溜まってしまっているみたいだ。既の所を助けられたルーティは今ようやく体を起こしたところだった。重く、息を切らしながら視線を上げた先でロックマンとウルフが激しく蹴りを拳を武器を交えている。
あの隙を突けば場外に撃墜できるだろうか。いやそれが出来ればとっくの昔に。
ぐるぐると考えたところで何の解決にも繋がらない。今はとにかく一刻も早くこの試合を終わらせてロックマンを解放しないと。ルーティは立ち上がるとじっと目を凝らし飛び込む隙を窺った。無闇矢鱈に飛び込んだのでは却って足手まといになってしまう、それだけは。
「っく」
呻く声に視線を辿らせる。
「ウルフ」
差し向けた銃を弾かれたんだ。
助けなきゃ。
「……!」
しまった、と思った。隙を突いたつもりで構えた銃を弾かれたその時には辺りの景色が薄暗くなるような錯覚さえ覚えたのに。次に構えたそいつの砲口はどう見ても自分じゃない、もっと後ろの獲物を捉えていた。視線を辿らせずとも分かる。空いた脇を潜るように狙いを定めて。
「ルーティ!」
本当の狙いは。
「えっ?」
正しく捉える隙なく砲口から放出されたそれがルーティの胸元に張り付いた。
直後。眩い光が。
容赦なく視界を呑み込んで――