第二章-後編-



場外に追放すればシステムに従って試合は正しく終了するようだけど。ぱっと元の試合の様子を映し出すモニターを見る限りどうやらそれを易々と許してくれる様子でもないし。

「自滅という手もあるね」
「ルーティならともかくウルフが素直にそれをするかな」

ここにきて最善の選択が選べない。彼の性根が意地っ張りであることは誰も重々把握済みだ。となると。

「……おにぃ」
「要は試合が終わればいいんだろ」

パックマンが言った。

「このまま戦えばいいじゃん」
「なっ――」

案の定トゥーンが食いつく。

「お前見ただろ! 兄ちゃんの怪我!」
「そうだよ……危ないよ……」
「うちの隊長かお前たちのチーム二人が場外に撃墜されれば試合は終了。最低限気をつけていれば大きな怪我はしない」
「それだけの話だろってか」

ファルコが睨みを利かせる中。

「……そうですけど?」

テメェ、と顔を顰めたファルコが今にも殴りかかりそうな姿勢に変わるのをすかさずフォックスが肩を掴んで止める。

「落ち着けファルコ!」
「ちっ、離せ――」
「おにぃ危ない!」


……その声に。


「……!」

彼らの視線は再びモニター画面へ――
 
 
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