第二章-後編-
くっとマークはこぼした。
「駄目だ、阻まれた!」
「……隊長!」
ルフレはキーボードを叩いてモニターを見上げる。……凡そ数分前。
それがシステム障害だと気付いた一同は試合の強制終了コマンドを外部から実行しようとしたが不審なエラーに阻まれて失敗。幾度と繰り返したが表示は一向に変わらず加えてモニターの中では試合が再開されてしまっている。
そんなどうして。気付いているはずだ、戦う必要はないのに!
「貸して」
そう言ってマークを押し退けたのはカービィだった。代わりに機械の前に立つと慣れた手つきで操作を始めて程なく、モニター画面が試合の様子を映し出した映像から現在試合に参加している者の簡単な戦闘能力をグラフやレーダーチャートで表した画面に切り替わる。
「……!」
誰も直ぐに気付いた。
「やっぱり」
カービィは目を細める。
――そこに表示されていたロックマンのグラフやレーダーチャートがノイズに食われていたのだ。食われていたという表現では伝わりにくいかもしれないがともかく所々がノイズによって正しく窺えないものとなっていたのである。
「何か方法はないのか!」
フォックスが声を上げる。
「……システムダウンさせれば」
「それが一番手っ取り早いだろうね」
ルイージの提案にそう返した後で、
「ただしそれで三人が無事帰ってくるかどうかは保証できない」
眉を寄せる。
「……データが飛ぶ可能性があるから」