第二章-後編-
モニター画面にノイズが走る。
「なんだ……?」
微かな異変に室内がざわつき始める。
「……まさか」
間違いない。これは。
リンク達の試合の時と同じ――!
「で。どうするつもりだ」
ウルフは拳銃をホルスターに仕舞った。
……まさかこのタイミングで不具合が発生するなんて。正直な話ここまで追い詰めたのなら攻め切ってしまいたいところだったが、最悪の未来を回避する能力を持っているでもない自分たちでは万が一のことも考えられる。それで二度と戦えなくなってしまっては元も子もない。
互いを傷付け怪我を負わせるために向き合っているのではないのだ。戦いの中で伝えたいこともあったが何を焦らずともいずれその機会は訪れるだろう。
「試合を中止にしよう」
ルーティはゆっくりと立ち上がる。
……結局のところユウとリオンの試合を終えてもシステムの中なのだからと甘く見るところはあった。だが、障害でその壁が取り除かれた途端これだ。
システムの中では攻撃を受けているという多少の感覚はあれど正しく本体に痛みとして繋がらない。それでも、反射的に声を上げたり表情に出てしまうのは誰も同じで今までもそうだった。
未だ鈍く残るこの痛み。少しの躊躇いも見られない。ロックマンは本気で……