第二章-後編-
「チッ、」
――読まれた!
横蹴りを防がれて顔を顰めたが同時にガードは崩せた。どうやらようやく戦略が読めてきたようだがもう遅い。苦戦を強いられたがここまでだ――その隙を見て懐に飛び込むルーティを目に叫ぶ。
「いけ、ルーティ!」
――終わりだ!
「っ、!」
不審な音と同時、拳が弾かれる。
開いたその目がロックマンとの間に捉えたのは幾つもの青いブロックノイズ。程なくぶれて消失したが――まさか。
「ルーティ!」
一瞬の油断が命取りだった。すかさず構えたがその構えを潜って接近したロックマンの拳が腹を抉る――そのまま。
「ッが、」
ルーティの体は勢いよく飛ばされた。とんと一度地面を跳ねたがダメージの蓄積したその体では止まることを知らない。横に回転しながら崖を越え場外に投げ出されたがそこで意識が回復。
ぱちぱちと電気が頬を跳ね、ルーティは虚空を蹴り出した。蹴り出す都度、靴裏から電気が放出され復帰を助ける。そのままルーティは崖際に着地したが跪いて頭を垂れた。……この疲労感。
それにこの痛み。
「ルーティ」
「……ねえウルフ」
へらっと笑って顔を上げる。
「ちょっとまずいことになったかも」