第二章-後編-
そうだよね、僕たちは。
この今だけが全てじゃない。
「……、」
至るまでの日々も。
「……!」
――立派な武器だったんだ。
ロックマンの構えが遅れたのは彼らの動きがこれまでと同じ、連携の取れたものではなく“ズレ”があったからである。
決まってスピード型のルーティが軽い連打で翻弄している隙、或いはパワー型のウルフが重い一撃を叩き込んでガードが崩れた隙をもう片方が狙ってきていたのに。ロックマンは連続して攻撃を打ち込んでくるウルフを見据えてそれから視界の端にルーティを捉えた。
「ったー!」
声を上げながら青の稲妻を纏い飛び込んできたが先程と異なって譲らないとでも言うようにウルフが退かない。けれど冷静に二人の攻撃が重なる瞬間回避行動を行って直後に生じた隙、ロックマンは両手を振り上げて勢いよく地面を突いた。
バスターが開き、赤々とした炎が噴出して囲うように火柱が高く昇る。彼らが狙うとすればこの後のバスターの展開による排熱処理の隙だろう。
……読み通り。その隙を狙ってルーティが振り向き様に拳を引いた。その行動を視界に捉えていたロックマンは突き出された拳を手刀で落とす。続けて向かいのウルフが蹴りを構えるのを一瞥。
「させる、」
ロックマンは目を開く。
「かぁああぁあっ!」