第二章-後編-



第四正義部隊『フォーエス部隊』のリーダー、ロックマン。

その戦術は自身に搭載された機能と豊富な飛び道具を生かした中距離型。無言で織り成す攻撃の数々は接近を許さずどんな小さな隙も見逃さない。確実に攻撃を打ち込み、外さず、相手の動きを封じながら着々とダメージを蓄積させていく。

「何処に隙があるんだよ」

モニターを目にファルコが顔を顰めた。

「……あれだな」

フォックスが呟く。

「ああ?」
「排熱処理だよ。……ほら。両腕で攻撃した後に必ず行っている」

目を凝らして注目してみると――確かに両腕を使った大技を繰り出した後、排熱処理が為されている。

「観戦していくら隙を見つけたところで実戦とは異なる」

そう言ったのはアイクである。

「その隙を理解していない相手ではないだろうからな」
「……だよな」

観戦する立場から隙を見つけてイメージを組み立てたところで実戦でそれを上手く実行できるかとなれば話は別だ。今でこそ自分たちはその隙に気付けているが正面から立ち向かっているあちら側が、それに気付けているとは限らない。

「勝負とは騙し騙されだ」

リオンが口を開いた。

「故に自分がどれだけポーカーフェースを保てるかが重要になってくる」

モニターをじっと見つめて。

「……ロックマン殿はそれをよく得ているな」
「テメェにも分からねえことがあるのか」
「うむ」

頷いたリオンはくっと眉を寄せて。

「ロックマン殿は受けなのか、攻めなのか……」 
「真面目に聞いた俺が馬鹿だったよ」

ファルコは溜め息。
 
 
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