第二章-後編-



う、わ。モニター画面の中で繰り広げられる決勝戦の試合の光景に誰かが小さくそんな声を漏らした。

だってそうだ。二体一という状況下では一の側が圧倒的に不利な立場にある。二人側にハンデを付けられたところでじわじわと追い詰められるのがオチだ。……それがどうだろう。現在モニター画面の中で苦戦を強いられているのは二人側のルーティとウルフなのだ。

スピード型とパワー型、それが極端に伸びているという話でもなく戦闘能力に関しては全体的に見ても非常にバランスが取れている。加えて彼ら二人は部隊の中でもチームプレイというものが優秀で互いの隙を縫うようにして繰り出す攻撃の数々はあれよあれよという間に相手を手玉に取るようにして敗北へと運ぶ。

過大評価と見えてこれが真理。チーム戦においてはポケモントレーナーのレッドが指揮するアルフェイン兄妹を押さえて彼ら二人が堂々のトップを飾るほど。


これでも。当初は息も合わず互いに足を引っ張るばかりでグダグダだったのだ。様々な出来事が日々積み重なって二人の絆を強く結び付け、現在(いま)がある。


とまあここまで語れば今現在その二人を相手に立ち回っているロックマンがどれだけ強豪なのか分かっただろうか。

「……凄いな」

メタナイトは思わず呟いた。

「だから言ったじゃん」
「うちの弟子に欲しいところだ」
「げっやめろよ。殺される」
 
 
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