第一章



白のテーブルクロスが掛けられた円卓には、出席する人の名前を記したプレートがそれぞれ椅子の前に置かれてある。向かう途中ウルフがぼやいた。

「くだらねえ。断りゃよかったのに」
「文句言わないでよ」
「聞きたいってなら日を改めててめえだけ聞けばいい話だろ」

正論ありがとうございます。

……席に辿り着いて腰掛けるのを見計らって少年は口を開いた。

「では、改めて。……本日は我が部隊の歓迎式典にお集まりいただき、ありがとうございます」

グラスに金色のスパークリングワインが注がれている。

「私はこの度結成された第四正義部隊『フォーエス部隊』のリーダーを務めさせていただく」

……飲んでもいいのだろうか。

「ロックマンという者です」

でも、未成年だし。乾杯用だろなぁ。

「我々正義部隊の歴史は――語ると先程のような時間を要しますので、省略という形に収めさせていただきます。もう一度、どうしてもという方はこちらも随時受け付けておりますので遠慮なさらずお申し付けください」

会場の所々でくすくすと小さく笑い声がこぼれる。

「……さて。それでは簡単に我々第四正義部隊の方針を皆様にお伝えしましょう」

客の心をばっちり掴む。演説者の鏡だなぁ。

「正義部隊とはその名の示す通り正義を謳う前線組織です」

僕にはちょっと厳しいかも。

「そもそもの話、正義とは何なのか――」
 
 
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