第二章-後編-
何を臆することなくパネルに足を踏み入れれば。
場面は変わって――『戦場』。
転送が完了したと同時強い風が吹いてルーティは腕で庇いながら瞼を瞑った。
……次に瞼を開けた時。そこには自分のパートナーと対戦相手であるユウとリオンの姿があって。暫く見つめているとユウは腕を組みながら口を開いた。
「ひとつだけ言っておく」
すっと冷たく目を細めて。
「手加減はしない」
「そんなの、当然だよ」
「ああ。だからお前もするな」
何を当たり前のことを。
「当たり前だから重ねて言うのだよルーティ殿」
ぎくりとした。はっと目を遣った先でリオンがにやにやと笑っている。
「このシステムの中では怪我をしない。スポーツのようなものなのだから、遊びの感覚で楽しめる。だから実戦のように身も心も堅くして挑みたくはない」
ドクン。
「視える視えないはその人次第だルーティ殿。貴殿の心は透けている」
ルーティは初めから終わりまで口を閉ざしていた。けれど――考えの何から何まで見透かされていたのだ。
「悔しいだろうがその通りだろう」
リオンは口元に笑みを浮かべて。
「その程度のぬるい心構えではロックマン殿を倒せないぞ?」