第二章-後編-



モニターの画面が切り替わり、次の試合の参加者の名前が映し出される。

実は、ルーティとウルフのチームは第一回戦を勝ち進んでから参加人数の都合上不戦勝として準決勝に進出していたのだ。正直勝たずしてそこに立つというのは微妙な心境ではあるが実力があるかどうかはこの第十一回戦の試合で証明される。

何より。……運で勝てるような相手じゃない。

「お」

自動式のドアが開くと部屋に入ってきた相手にドンキーが声を上げた。

「来た来た。ユウ、リオン! 次あんたらの試合やで!」


そう。今度の対戦相手は実力だけで勝ち進んできた“災厄の目”を持つ二人。

ユウとリオン――


「次の対戦相手はルーティ殿とウルフ殿か!」

モニターを見上げて名前を確認するとリオンは嬉しそうに笑いかけた。

「よろしく頼むぞ!」

一方でユウの態度はつんとしていた。ぎすぎすとした空気だけはご勘弁願いたいところだが彼自身試合前に声を掛け合うなんて柄でもない。よろしく、と苦笑にも似た笑みを浮かべながらリオンに応えてルーティは機械の元へ。

「ああ……これから私は電気ショックで体の自由を奪われ足蹴にされる様を大勢の人間に視姦されてしまうのだな……!」
「……リオンさん。不適切な発言は退場対象ですよ」

ルフレが咳払いをして注意を喚起する。

「その澄まし顔ッ! ジャスティス!」 

にも関わらず親指を立ててリオンはこの笑顔。

「凄くポジティブなんだね」
「興奮してるんだよ」

感心したように言うマークに引き笑いを浮かべながら答えて、ルーティは溜め息。
 
 
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