第二章-後編-



……凄い。率直に、そう思った。

モニターの中では第十回戦の試合が繰り広げられている。時折あのブロックノイズが拳や剣をぶつけた刹那発生しているがそれらしい問題にまでは至らず。いやそれよりも。注目すべきはロックマンの立ち回りだ。

今現在どういう訳かカービィとマルスはあからさまに手を組んでロックマンに立ち向かっている……が、全く隙が窺えない。故に二対一の状況にも関わらずカービィとマルスの側が押されているのだ。相手の戦術と今ある戦況を瞬時に把握し対抗する、戦場に対しての順応力とその才能。人数の関係上たった一人で参加する羽目になったというのにそれがどうしたとばかりの目で見て分かる強さ。

あの人は敵じゃない。本来は互いの背を預けて悪を討つ同じ正義の味方。


なのに。これは。


「怖いの?」


ぎくりと肩を跳ねた。にたにたと笑って此方を見つめるのは悪魔――いや。

「……君は」
「パックマンはパックマンだよ。ししっ。怖いよね、隊長」

カービィと似た雰囲気を感じさせる。けれどその正体は決して安心ではない。

「同じリーダーなのにお前は直ぐに死にそうだな」

いつの間に詰め寄るものだからルーティは思わず背を壁にぶつけた。

「うちの隊長、強いからさ」

目と鼻の先に不敵な笑み。

「……殺されるかもよ」
 
 
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