第二章-後編-
――第十回戦。
「しまっ」
剣を弾かれ体勢が崩された、その隙に。
「メタナイト!」
抵抗する間もなく鉄の拳に打ち上げられ遥か上空、光の柱が射す。
「くっ」
気を取られている場合では。正面から連続して放たれる小さな弾を腕を交差させ防御する。けれど誤った選択だった。ロックマンはその隙に大きく間合いを詰めてカービィの腕を掴むと振り向き様投げ飛ばしたのだ。空中に投げ出されるカービィ。その舞台が十八番、とはいっても体勢を崩されていたのでは――そう思っている間にロックマンは地面を踏み込んで跳躍。そのまま撃墜を狙おうというのだ。
躱したところで状況は不利。カービィは顔を顰めて。
一か八か。ロックマンが腕を振りかぶった瞬間カービィは蹴りを繰り出した。攻撃の宛てにもならない比較的軽いものだが、相手との距離を離すには十分。
「っは」
カービィは片手片膝を付いて足場の上に着地。
「お疲れ様」
聞こえた声に肩を跳ねるとその足場のちょうど直ぐ下にマルスがいた。
「……アイクは?」
「復帰中にメテオで落とされた」
「メタナイトの話もしとこうか?」
「遠慮しとく」
現在ロックマンは動きを見せていない。かといって隙も窺えない……
「っ、」
突然隣に降り立ってマントを引くのだからマルスは驚いた。
「先輩チームが後輩一人を相手に全滅とか洒落なんないっしょ」
振り向けば自分と同じ衣装を身にまとったカービィ。
「僕がガードを崩す。その隙に」
「……分かった」
二人が背中合わせに剣を差し向けるとロックマンは構えた。
「いくよ、マルス!」