最終章
……どうして。
いくら目を凝らしたところで誤りはない、確かにそうなのである。マリオやルイージといった有名人に始まりマルスやロイまで。最後に見た幼顔とはまるで違う成長して青少年の男子らしい顔立ちとなったリンクやドンキーまで揃っている。
懐かしいと思うのと同時ぞっとするような顔触れに言葉が出なかった。
何故、彼らが同じタイミングで特殊防衛部隊に――?
「それにしてもやっと集まったんだね」
パソコンを前にスリッピーは頬杖をついて。
「毎年招待状を出していたのよ?」
クリスタルは腕を組む。
「レイアーゼ政府はさぞお喜びでしょうね」
天空大都市レイアーゼが指揮する誇るべき組織特殊防衛部隊。所属の条件といえばレイアーゼ政府からの招待状を受け取るか、各地で開催されるトーナメントを勝ち進むか、或いは最高権利者からの推薦を受けるか。
けれどそう面白いはずもなかった。確かにやっていることは全世界の平和を望んだ正義かもしれない、だが実態は自身の地のさらなる発展を願い、それを他の誰にも渡したくないだけの邪な感情が渦巻く未来都市。
……あの時だって。昏睡していたマスターとクレイジーの体を。
国の発展のために回収しようとして――
「にしても何なんだこの並びは」
ファルコが訊いた。
「パートナー制度が導入されるそうよ」
クリスタルが指差し答える。
「ほら。こうやって隣り合っているのが……」