第二章
戦いの中に。声援の中に。
お前はちゃんと、いたんだな。
「っ……あいつ」
傍に居てくれた――
「気付こうとしなければ気付けないことだよ。……君は本当に、いい弟を持った」
ラディスはすっと手を突き出して。
ばちばちと音を立てて青い電気が腕を這い、髪が靡く。マリオはにやりと笑った。
「どうだろうな」
間もなく、青い稲妻が放たれる。
まるで獣のように地面を駆けていたそれは、やがてマリオに向かって突っ込み、爆発を起こして。煙が、彼を包み込む。
「――悪いが、終わらせてもらう」
両手から炎を噴出させ、加速。煙の中から、マリオは勢いよく飛び出して。
「弟が待っているんでな!」
ラディスは構え、突き出された拳を腕で受け止めた。自身は蹴りを繰り出して。
――戦いとは。どうして、こんなにも沢山のことを教えてくれるのだろう。