第十一章-後編-



「あっははははははは!」 

声高らかに。

「ごめんねぇ? あまりにも妄想が過剰すぎて」

揺らぐ体を嘲るように見つめ。

「聞いてられないから切っちゃった」

鮮血舞う様にほくそ笑み。

「僕の兄さんにちょっかいを出さないでよ」

クレイジーはすっと目の色を変えて。

「“この世界”なんていらない」

見下す。

「お前はどんな価値を見出しているの? 戦わなきゃいけないのはどうして?」

笑う。

「答えはとうの昔に出てる。“この世界”はくだらないことで争い事の絶えない欲にまみれた人間という化け物が蔓延っているから」

首を傾けて。

「僕たち神様だよ? 自分たちだけが幸せになろうとなんか思ってない。本当の意味で幸せな世界を創ろうとしてるだけ。人間たちは皆いい子で互いの手を取り助け合い、争い事ひとつ起こさないそんな世界。誰だって一度は望んだはずだろ。何が不満なの? 何が悪いの? 出来ないことをしてやろうというだけで」


……どうして邪魔をされなくちゃいけないの?
 
 
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