第二章
「……まっ」
その時、ルイージの隣からマイクを人差し指でつんとつついたのはクレシスで。
「ちゃんと入ってるし、大丈夫だろ」
ふっと笑みを溢す。
「いいから、喋ってみな」
戦場はしんと静まり返り、柔らかな風が吹いた。マリオはラディスに視線を戻して。
「兄さん、負けないで!」
びくっ、と肩を跳ねさせる。
「は……ぁ?」
マリオは怪訝そうに空を見上げて。
「兄さんなら、絶対勝てるから!」
少しの間を置いて、ルイージは苦笑。
「……本当は、弱いんだ。でも、兄さんの弟でいたい一心で、沢山のズルをした」
マリオは目を開いて。
「狡いよね。でも、兄さんの傍にいたかったんだ。支えになりたかったんだよ」