第十一章-後編-



……え?

「本当は寂しかったんだろ」

目を開く。

「世界を玩具にするのが目的じゃない。愛されたかったんだ」

小さく口が動いた。

「だから俺たちを殺せなかった!」
「――やめろッ!」

固く目を瞑って拒絶するマスターにラディスは顔を顰める。

「どうしてそう頑なに拒むんだ!」
「お前に、……人間なんかに何が分かる!」
「じゃあお前は何なんだ!」
「俺たちは神様だ!」
「違うッ!」

はっと開く。

「同じ人間だろッ!」


ドクンと心臓が跳ねる。


「くだらないことで泣いたり、笑ったり、怒ったりもした」

加速する。

「『設定』なんかじゃないんだ! 俺もお前も!」

もう少しで。

「だってあんなに」

届く――

「幸せだったはずだろ、マス」


――不意にその説得を遮ったのは。

無慈悲な赤の斬撃だった。
 
 
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