第二章
同じような質問をしてきた奴がいなかったわけじゃない。が、そんなのは大抵、自分が策を練る為の時間稼ぎでしかなかった。
「それしか?」
「ああ。……お前に分かるのか?」
マリオはきっと睨み付けて。
「負けるはずがない。絶対に勝てる。そんな人々の理想を勝手に押し付けられて」
――誰にも、分かるもんか。
「俺は勝たなきゃいけないんだ。いや、勝つのが当たり前だという理想の元、応えなきゃいけないのさ。……義務なんだよ」
マリオは顔を顰める。
「義務なんだよ!」
思わず、感情的になってしまった。
が、関係ない。それがあいつの質問に対する俺の答えなのだから。そしてそれはこれから先も覆されず、変わらない。
繰り返すんだ。たった一人で、延々と。