第二章



「でも、ラディスの方が優勢だな」

ルイージははっと顔を上げた。

モニターがよく見える位置に移動し、画面の下の方に注目する。観戦している側にはそれぞれの体力の残量が確認できるのだ。

「あれ? 褒めそやすのは云々、って言っていなかったか?」
「別に……見たままを言っただけだ」

ルイージはごくりと息を呑んで。

確かに、この戦い、ラディスの方が上手く立ち回っている。兄さんの体力も少しずつだけど削られて……今、半分を切った。

「あ、」

顔には出さないけど、突き放そうと蹴りを繰り出すのは兄さんが焦っている時に出る癖。あれでいて、余裕がないんだ。

駄目だよ、兄さん。その技は出が遅くて、読まれやすい。逆手に取られて――


「焦ってんの?」


ルイージはぱっと振り返った。
 
 
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