第十一章-中編-
「危ないっ!」
名を叫ぶよりも先、声が遮って誰かが腰に飛びついてきた。
ぐらっ、と体が傾いて目を開く。揺れる金色の髪を辿ればそこにはサムスの姿――
「……え」
巨人の腕が振り下ろされた。
誰もが目を開き、一連の流れに呆然としていた。
マリオとルイージが投げ飛ばされて。気を取られていたピーチを助けようと、身を呈して飛び込んだサムス諸共あの剛腕の餌食となった。
今は物凄い量の砂煙が立ち込めていて安否が確認できない。ラディスは小さく口を開いたが無線機を握り締めてくっと言葉を呑んだ。
「進め!」
はっと引き戻される。
「攻撃は大振りだ、落ち着いて対処すれば当たらない!」
恐怖に押し潰されそうになりながら構える。
「注意を引いて進路を作れ!」
拳を、武器を握る。
「怯むな!」