第十一章-中編-
ぼやいて駆け出したのはカービィだった。続けてマルス、ロイ。
カービィは駆けながら地面に転がる死体の中に武器を探した。目当てのものが視界に入ると進路を逸れて、巨人の薙ぎ払いは地面を蹴り出し跳び越えて回避。前転して着地、歯の欠けた剣を右手に。吠え声に肩を竦め怯んだが視線は外さないまま、少し離れて地面に突き刺さった剣を左手に引き抜く。
「カービィ!」
距離が離れてしまった。進路を逸れた分、マルスとロイの方が巨人に近い。
「……上から行く!」
マルスとロイは頷いて返した。
距離四メートル半、巨人の頭部を見るにはこの距離を置いても首が反れる。
「来るぞ!」
並んで駆けていたマルスとロイに目掛け、大胆にも地面に両腕を突っ込むとそれを掘り起こして飛ばしてきた。剣を引こうとしたが刹那。
漆黒の雷撃によって砕かれる。
「そのまま進め!」
振り返れないが今のはクレシスだろう。マルスとロイは同時に蹴り出す。
空中で砕け散った地面の破片を足場に跳び上がる。
距離――二メートル。