第十一章-中編-
強襲作戦――あんな得体の知れない化け物を相手に?
直前まで戦っていたマスターやクレイジーだけじゃない、様々な依頼を受けて討伐してきた魔物だって得体の知れないそれと大した違いなどないのだ。けれど、彼らには微かながら情報があった。対処法があった。
今度はどうだろう。
――自分たちは確かに『ゲームのキャラクター』だったかもしれない。
けれど今まで“死”を回避してきたのは管理者のマスターが手伝っていたからで。
だからもし、致命的な攻撃をその身に受けたら或いは――
「死んだらどうなるんかな」
ぼそっとドンキーが本音を吐いた。
こんな状況だからこそ不安を煽るような言葉は避けたかったのに。それが引き金か遠目に見ても分かるくらいに誰も影を落とし辺りは不穏な空気に包まれた。
……皆。
「怖いのも」
ユウはぽつりと言った。
「死にたくないのも、皆同じだと思う」