第十一章-前編-
何処かから飛んできた銃弾を部分的に発動させたバリアで防いだところ。
「……ふ」
マスターは笑った。
「すっかり忘れていた」
硝煙立ち込めるフィールドが今、
「お前たち人間は」
晴れる。
「群れるのが好きな生き物だったな」
――そこにいたのは軍服を着込んだ兵士たちだった。
空は戦闘機が駆け、隙を窺っている。
「これは……!」
ラディスも思わず目を開いた。
「俺たち特殊防衛部隊は政府の犬だぜ?」
クレシスは口端に滲んだ血を手の甲でぐいと拭う。
「……昔っからよ」
にやりと笑って、
「狙った獲物は死んでも食らいついて放すなって教わってんだよ」