第十一章-前編-
「そっくりそのまま、」
重圧に逆らい、踏み出して目を開けば。
「――お返しする!」
煌めく。
刹那、破片はぎゅいんと方向転換。切っ先を双子に向けて放たれた。
しかしそれらも当然のことそれぞれが前方にのみ張った色の異なるバリアによって弾かれる。その間を抜けた先に先程の声の主であるピーチが立っていたが、慌てる様子もなくパラソルを突き出し広げると破片を防いだ。
だがこれはまだ始まりに過ぎない。
「――ッ!?」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
砂煙が視界を妨げるように舞う、そのほんの数秒前。……破片がまだ突撃している最中駆け出していた連中が止んだと同時に到着。足を止めないまま双子の間を剣先で地面を削りながら前方へ分かれてそれぞれ左右に回り込み、掻き上げた。
舞う砂煙に弟には兄が、兄には弟の姿が見えない。
「休めるな!」
的確に隙を生み出し突いていく。
彼ら自身の攻撃時による隙も次の連中が攻撃を繰り出すことで埋めていく。
「そのまま引き剥がせ!」