第二章



駆け出すルイージを見据え、ラディスはすっと瞼を閉じる。刹那、かっと開けば体の至る所から青い稲妻が放出され、それが束となりルイージを狙い、地面を駆けて。

「っ、」

地面を蹴り出し、飛び上がれば同じように稲妻も尾を引いて追ってくる。まるで獣のようだ、とルイージは息を呑んで。

「ああッ!」

結局、少ない体力では逃げ切れずに撃ち落とされて。それでも、負けたくないという強い意思がルイージを突き動かしていた。

「……分からないな」

ラディスはルイージを見つめて。

「君がそこまで必死になれる理由が」
「僕の、」

それまで地面に横たわっていたルイージは、息を切らしながら立ち上がる。

「大好きな、兄さんだからだ」

ラディスは目を細めて。
 
 
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