第十章-後編-



ラディス。

それがお前の答えだと言うのなら。


「ッあぁあ、っぐぅ……!」

どうにか撒いたようだが安心はできない。崩れた建物の中に身を潜め地面に下ろしてすぐ悲痛な声を上げるダークリンクを案じるように抱き起こす。

「……!」

服が破けた様子はないが、顔や腕に火傷を負っている。

「っは、ァ……あいつらは……」

元々赤であったはずの左目が黒く変色して……

「ダークリンク、お前まさか目が」
「るせェ、ちょっとすりゃ治る」

苦しそうに息を弾ませて、咳き込む。

こんなにもダメージを負うものだとは思わなかった。けれど檻の中に飛び込んだ時背中に幾らか受けたが一切傷を受けなかったぞ?


――契約の内容を忘れたのか。


まさか。

「ダークリンク」

ラディスは恐る恐る訊ねる。

「何かあったのか?」
 
 
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