第二章
暫くしてラディスが帰ってくれば、これまた豪快にクレシスが飛び蹴りを決めた。
「な、なんで?」
「お前が言うべきことはただ一つ」
「ごめんなさい」
「よろしい」
ラディスが一言返せばクレシスは満足げにこくりと頷き、モニター画面を見遣った。
次に映し出されたのはラディスとルイージである。それまで床に倒れていたラディスはゆっくりと立ち上がると、遅れて入ってきたルイージに視線を送って。
――君は間違っている。
その言葉が脳内で繰り返され、ルイージは顔を顰めていた。兄の為に、善かれと思ってやってきた行為が、間違っていた?
「ルイージ」
マリオに声をかけられ、振り返る。
「その、頑張れよ」
「……うん」
間違ってなんかいない。
分かるもんか。ルイージは薄ら笑いを浮かべて返すと、彼の視線に気付いておきながら真っ直ぐとワープパネルへ向かった。