第十章-後編-
ぴたりと笑い声が止んだかと思うと。
代わりにダークリンクは煽るようにして見下した。
「だったら、何だよ?」
――風も吹かない妙な静けさが辺りを襲った。
遠く胸騒ぎを感じながらも空はそれを素知らぬふりをして雲を日の光で切り開き、じわじわと辺りを明るく照らし始める。
「そうか」
マスターは静かに口を開いた。
「それはよかった」
人差し指と中指を立てて右にさっと払う。
すると今現在ダークリンクが閉じ込められている檻をぐるっと囲うように青い光の玉が点々と現れて。再び指を鳴らすのと同時、弾ける。
「これで」
その内から露わとなったのは。
「安心してお前を殺すことができる」
鏡。
「なっ」
ここでようやく意図が掴めたらしい、ダークリンクは声を洩らして。
「その身を焼いて無様に死ね」
マスターは瞳を蒼く深く濁らせて呟いた。
「……ダークリンク」