「くくっ……」

声に気付いて振り返るとダークリンクは瓦礫の上で嘲るように見下していた。

「……兄さんが。何」

クレイジーは睨みつける。

「おいおいそう怖い顔をするなよ」

にやにやと笑いながらダークリンクは剣を振るう。

「感謝してるっつってんだろ？」

程なくして彼の立っていた瓦礫の下の地面から這い出るように全身を黒く塗られた魔物が召喚された。だらんと力が抜けたように先程の魔物たちと様子が違うのは、アンデッド系の魔物を呼び寄せたからなのか。

クレイジーは眉を顰める。

……おかしい。確かに実体はあるしだからこそ攻撃を命中させた時確かな手応えを感じた。死んでいるはずなんだ。

それなのにどうしてこう何度も何度も無傷で現れる――？

「随分と余裕だなァ？　破壊神サマよぉ」

ダークリンクは剣をくるっと回して差し向ける。

「それとも。まさかこの俺の能力にびびってんじゃねぇだろーなぁ？」

ぎり、と奥歯を噛み締める。

「調子に乗んなよ」

勢いよく左手を打ち払えば背後に幾つもの魔法陣が浮かんで。

「チート野郎がぁあッ！」