第十章-後編-
魔法陣が赤く光を灯した、それを合図に魔物は一斉に突撃。
だが次の瞬間魔法陣から幾つもの鎖が飛び出すと翼を持った魔物の片足に巻き付き捕らえた。そのままぐいと引いて立ち向かってくる魔物諸共薙ぎ払い。
その中で攻撃を躱し立ち向かってくる影がひとつ。
「へえ」
クレイジーは目を細めた。
「捨て駒ってわけ」
薙ぎ倒された魔物を踏み付けて飛び出す、その正体はダークリンク。
「いいよ」
クレイジーは左手を前に突き出して。
「まとめて片付けてあげる」
続けて魔法陣から鋭利な切っ先を持つ結晶の群れがダークリンクに狙いを定め連続して射出。ダークリンクはそれをひらりひらり、まるで何でもないといった具合に躱して更に接近、跳び上がる。――しかし。
「はい残念」
クレイジーの足下から白く無数の棘が地面を割って飛び出すとダークリンクの体を貫いた。当人は声にならず目を見開きながら突かれるがままに体を踊らせて。
「だから言ったのに」
左手を払って短く息をついた。
棘の表面を伝う赤が、元々棘が白かっただけあって際立っている。串刺しとなったダークリンクは目を見開いたまま不自然な姿勢でぴくりとも動かなかったが。
ふと、口角を吊り上げた。