第十章-後編-
前方に大きく飛び出したが遠ざかるダークリンクの背中に視線。それ以上気にする間もなく飛んできた光の刃を間一髪身を翻すような形で躱し続け様、横に飛んで蹴り出し距離を縮めていく。低く飛んできた光の刃は地面を蹴って飛び上がり前転、着地してまた蹴り出せば標的はもうすぐ目の前。
刹那、鈍い音が響いて振り下ろしたはずの剣はマスターの前に生成された変わった紋章の刻まれた盾によって伏せがれた。影が差し、後方に飛び退くと同時に地面に突き刺さる二つの剣。これだって見覚えがある、だけどこの世界に。
「どうかしたのか?」
それらはブロックノイズとなり消滅して。
「まるでこの世界に二つと無い物を見たかのような顔だな?」
ハイリアの盾。ファルシオン、そして封印の剣。
「言ったはずだが」
マスターは静かにその右手を薙いで、
「……俺は創造の神であると」
そうして空中に現れたのは五つ連なり構えられた銃。
その形状はフォックスやファルコの扱うブラスターと全く同じもの。もう間もなく引き金が引かれるのを目にラディスはその場から飛び退いた。
「……やれやれ。すばしっこいな」
直後の連射により砂埃が舞い上がる。マスターは指を鳴らして。
「逃げ切れると思うなよ」