第七章
――今頃、どうしてるだろうな。
「寝ちゃったみたいね」
寝室でルーティに絵本を読み聞かせていたラディスは、ルピリアのそのひと言でぴたりと音読をやめた。見れば、ルーティは隣ですやすやと可愛らしい寝息を立てながら眠っている。あれだけ遊んだのだから疲れてしまったのだろう。
「いい人たちでよかったじゃない」
ルピリアは家事を終え、シャワーも済ませたのか寝巻きに着替えていた。
それは同じくラディスもそうだったのだが。ルーティを挟んで上体を起こした姿勢で布団の中に入るルピリアを見つめて、それからふっと笑う。
「……俺もそう思うよ」
あの時、メンバーが居合わせていたからこそ話せなかったことや、その時の自身の心境を話した。時々、身をよじるルーティに注目して、頭を撫でてやりながら。
――二人が大きな欠伸を洩らすその時まで。
「頑張らなくちゃね」
ルピリアはそう言って微笑する。
「貴方も、私も」
え、とラディスは何故かそんな風に声を洩らした。窓の外、傍らで眠るルーティを気にするように目を配って。頬を染めながら気合を入れるように拳を握る。
「半年ほどブランクがあるけど、頑張るよ」
「そっちじゃなくてね」
変わらないんだから。ルピリアは呆れて、溜め息。